アレルギー代替品だけじゃない、
調理にも使いやすい米粉!
お米のミライを見据えて事業展開をしている丸冨士。この特集では、お米の魅力を広める活動をされている方をお呼びして、丸冨士の社長である倉石匡啓と対談していただきます。
米粉のワンタンは2〜3時間
煮込んでも型崩れしない

今回のゲストは、アルファ電子の社長、樽川千香子さん。電子機器企業でありながら、2022年より地元福島産の米を加工した米粉麺 “う米めん” を販売しています。
お米の魅力や、米粉商品をもっと広めるためにできることなどについて、第4回に分けてお届けします。第1回目では、米粉の利便性に着目。そのほか米粉への注目度や、アルファ電子の開発した”う米めん”について、語りました。
アルファ電子株式会社
1969年に設立。福島県を拠点に電子機器の製造・販売する、ものづくり企業。時代が変わりゆくなかで「変わらない価値の良い製品を作りたい」「福島県への地域貢献ができる製品を作りたい」と考えた先で、出会ったのが米粉麺。日本人の主食である、お米を使って製造する“う米めん”を通して、食卓に変わらない美味しさを届けることを目指している。
株式会社丸冨士
1957年に設立。長野県を拠点に全国のメーカーから仕入れた製菓・製パン材料を卸す材料事業と、それらを加工製造する機械の販売やメンテナンスをおこなう機械事業を軸とする。2023年からは米粉事業にも着手。米粉の卸のほか「生米粉のパン・スイーツラボ」を開設し米粉パンのOEM生産をスタート。同年、雑誌リンネル監修の元、「サステナブルな米粉パン」の開発をおこなった。2024年より米粉の魅力を広めるため、当サイト「ミライの米工房」の運営をスタート。

- ――おふたりから見て、米粉製品の盛り上がりは感じられていますか?
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株式会社丸冨士 倉石
コンビニやスーパーなどでも、米粉製品は見受けられるようになりましたね。また、当社では昨年より米粉を取り扱い、卸していますが、地域でもグルテンフリーの注目度があがってきていると思います。
ほかにも米製品の可能性を社会に広げていこうと目指す展示会やイベントなどが、大規模に開催されています。実は樽川さんとは、東京で開催された展示会で初めてお話させていただきました。
アルファ電子 樽川さん
米粉の商品に対する注目は、どんどん伸びていることを感じます。
当社は米粉事業において、米粉でつくった米麺 ”う米めん” の開発・生産・販売のほか、米粉麺の受託生産をおこなっています。お客さまからの ”う米めん ”へのお声はもちろんこと、受託生産のお問い合わせもコンスタントにいただいています。
- ――なぜ、社会で米粉製品は注目されてきているのでしょうか?
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株式会社丸冨士 倉石
もともとお米をつくっていた会社や農家さんが、新たな商品づくりをしていこうとする動きがありますね。あとは、今まで小麦製品を販売していたけども、小麦アレルギーや、食の健康への関心が高まっていることから、新たな市場へ挑戦したいという声が聞こえてきます。
アルファ電子 樽川さん
米粉は、小麦アレルギーを持つ方を救える食材のひとつですよね。日本人には小麦などに含まれるグルテンが合わず、約7~8割の日本人がグルテン不耐症(過敏症)の可能性があるとも言われています。

- ――アルファ電子が2022年に発売した「う米めん」について教えてください。
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アルファ電子 樽川さん
誰でも安全に食べられる、無添加でグルテンフリーの米粉麺です。健康に気を使っていても、「おいしく食べたい」という気持ちを叶えられるように、私達もかなり研究しました。白米麺と、香ばしい香りが特長の玄米麺があります。
株式会社丸冨士 倉石
何度かいただきましたが、どちらも歯ごたえに特徴がありますね。コシは小麦粉にはない感じで、人気が出そうだと食べながら思いました。
アルファ電子 樽川さん
モチモチ感の噛みごたえは、米粉ならではですね。稲庭うどんや讃岐うどんに近い食感を追求しましたが、ゆで時間や、水で締めるのか・締めないのかでも、食感が変わります。
- ―――「う米めん」は、給食でも使われているんですよね?
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アルファ電子 樽川さん
福島県内から始まり、東京都などの関東地域でも使っていただいています。小麦アレルギーを持っている生徒さんも、一緒に同じ給食を食べられるというメリットがありますね。
う米めんのほか、当社で開発した米粉のワンタンもご提供しています。小麦粉のワンタンの場合、時間が経つとドロドロになって破けてしまうことがあるそうですが、当社の米粉のワンタンは2〜3時間煮込んでいても、型崩れしないところから重宝していただいています。

- ―――米粉は料理の汎用性が高いような気がしました。
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アルファ電子 樽川さん
そうですね。福島県にアレルギーのお子さんのコミュニティがあり、そこでアルファ電子としてお料理教室を開催し、米粉料理のご提案をしていますが、“使いやすさ”にも注目しています。
小麦粉の代用として、お好み焼きやたこ焼きにも使えますよね。洋風だとガレット、トルティーヤや、クレープなどにも。油を吸いにくい性質を持っているので、味わいも、さらっと食べられるというか、もたつかないんですよね。ダマになりにくいので、ホワイトソースや、唐揚げや天ぷら粉に使うのもおすすめです。
株式会社丸冨士 倉石
アレルギーだけではなく、調理において、“使いやすさ”という特長で米粉がもっと注目されていけば、米粉製品の盛り上がりも、もっと高まりそうですね。
パンやスイーツも、小麦でつくられたものとはひと味違うものになります。もちもちとした食感や腹持ちの良さなど、小麦にはない魅力をどんどんと伝えていきたいと考えています。主食としての「ごはん」だけでなく、米粉にすることで米の可能性は広がっていきそうです。